【長七郎と平次の共演】
日本テレビの火曜8時枠といえば、里見浩太朗が日本テレビと契約を結んだこともあり、里見の主演作「長七郎江戸日記」が放送されていたが、その契約の例外事項のTBSから「江戸を斬る!」の出演依頼があったため、里見はこの枠をしばらく休んだ。その間をつないだのが、風間杜夫の「銭形平次」である。
里見と風間は同局の年末時代劇でも、お互いからみの多い主要な役どころで度々共演している。
時代劇ブームの波がその二人をどーんと連続ものの主役にしてしまったのが、この「八百八町夢日記」である。
まさしく勧善懲悪の痛快娯楽時代劇というストーリー設定で、良くも悪くも様々な定番時代劇の要素を取り入れた時代劇といっていいだろう。
このビックスターの二人の共演は、時代劇ブームの波にのり、高視聴率を維持。パートUも制作されることとなった。

 【カイロがポロッ!】

京都の冬は厳しい。ロケの多い時代劇の撮影には、それがなによりも敵なのである。出演者は白い息がカメラに映らないために、氷をなめてからセリフをしゃべるという撮影がつづく。
ある時、共演の役者が里見演じる夢之介の足をつかむシーンがあったが、カメラ前にポロッと落ちたものがあった。そう携帯カイロである。もちろんNGとなったが、突然目の前に落ちた物体を不思議そうに見つめる役者と、里見の慌てようは、NG大賞を受賞してしまうほどだった。
NGといえば、定番なのがセリフ間違い。ある時、おりんを演じる中原理恵がNGを出してしまい、「理恵で〜す!」と言うと、隣にいた里見は「中原といいま〜す!」(^^)
NGも笑いにかえられる現場のチームワークというのは、よい作品を生み出す要因のひとつなのだろう。

 【必見!里見の女形】

この作品のみどころの一つが、里見演じる夢之介の変装だ。浪人、役者、やくざなど里見の魅力を存分に発揮した。新内流しに変装した時には、里見の得意ののどを披露。
そして、なによりファンを驚かせたのが、女形に扮した事である。映画や「水戸黄門」でも何度か女装をしたが、ここまで本格的?な扮装は初めてだった。また、この扮装で見事な舞も披露した。撮影に際して里見は「気持ちよく踊れた。シワが気になるけど、年増の色気を感じてください」とノリノリ。しかし「もう少し若い頃にやりたかった」としきりに言っていた。
女形に扮した里見は、周囲から母親に似ていると言われたようだ。