第8章『「あぐり」と現代劇』
「ぼくは、時代劇の世界にしか生きられない、不器用な役者なのかもしれない。」そう語ったのは
、平成4年に発売したエッセイでのことである。
そんな里見が、心機一転現代劇に出演したのが、その年の三田佳子主演
「外科医・有森冴子Uスペシャル」である。婚約者が末期のガンに侵され、苦悩する
中学の体育教師を熱演した。その後、里見は現代劇へと活躍の場を広げてゆく。
平成8年にはフジテレビの情報バラエィー『メトロポリタンジャーニー』で
バラエティーの初の司会をつとめる。そしてその翌年、全国に素顔の里見浩太朗
を定着させたのがNHK朝の連続テレビ小説『あぐり』での「望月健太郎」役である。
徐々に白髪を増やし、最終週では真っ白なかつらをかぶり、何とも言えないお茶目な
おじいちゃんを演じた。これも、長年のキャリアあっての味であった。
そして今、NHK水曜ドラマ『必要のない人』で森光子の恋人役。ジョーカー野村を
演じている。ピアニストという意外な役で話題を呼んでいるが、
多才なイメージも定着しつつある。
また、歌手としての活動も精力的に行うようになり、芸能生活40周年に発売した
『花冷え』がヒットしたのを機に、毎年シングルCDはもちろん、アルバムも
発売するようになった。
プライベートでは、ゴルフにますます熱が入る日々・・・。60歳にして「シングルになる」
という夢を見事達成!次なる夢は、アメリカのシニアプロだとか・・・。
とんでもない。まだまだ、時代劇界を第一線で引っ張っていってもらわなければ困る!
時代劇一筋に生きてきた人生も、60歳にして大きな転機を迎えているが、
それがまた、新たな人生の始まりになっていることは間違いない。
一方では、時代劇スペシャルに特別出演し、舞台では時代劇を演じつづけ、
若手のスターを育てている。
やはり、時代劇に対する情熱はかわっていない。また、里見の手で時代劇ブームを
巻き起こしてほしいものである。
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